人生のバイブル
本は、他人の人生経験をあたかも自分のことのようになぞることができる魔法の道具です。
本によって、他の人生や他人の知識を自分へインプットすることにより、自らの人生の幅が一気に拡がりますね。
幅が広ければ広いほど、問題が起きた時の対処や、豊かな人生を過ごすための知恵、アイディアが頭の中に浮かんできて、よりよい人生を送れるようになると思います。
読んだ本の中で、自らの人生に決定的に影響している本、誰もが、自分の人生のバイブルに出会っていることでしょう。
私の場合は何であるかと考えたとき、やはりこの本だな、とすぐ頭に浮かぶ本があります。このエントリーでそれをまとめてみることにしました。
私の場合、まずはやはりこの人の本です。
送料無料【中古】学校の勉強だけではメシは食えない!―世界一の職人が教える「世渡り力」「仕事」「成功」の発想 岡野 雅行
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言わずと知れた岡野工業株式会社 代表社員 岡野雅行氏の本です。
社員6人の小企業ながら、世界が認めた金属製品を世に送り出した人ですね。
この本は、万人に共通する「世渡りのコツ」が書かれています。世渡りは学校では教えてくれません。まさに、学校の勉強だけではメシは食えないのです。
この本は、日本に限らず、世界の小中学生全員に読んでほしいと思います。大人が子供へアレコレ言うより、この本を1冊渡す方がよっぽど効果的です。
この本の中で、私の特に好きな一節、エピソードを以下に引用したいと思います。
”一番大事なのは、世渡り力を勉強することだ。断っておくが、世渡りというと、要領がいいとか、ごますりとかいった印象を持つ人が多いが、実はそうじゃないんだ。
ー中略ー
今も決して忘れない言葉がある。「何か人にしてもらったら、4回は御礼を言いなさい」という言葉だ。
ー中略ー
今時「義理と人情」なんて言うと、古いと勘違いする人がいるけど、俺から言わせたら、本当はとてつもなく深い言葉なんだ。今の若者はその感覚が全くわからなかったりする。困ったものだ。そんなやつは、サラリーマンになったってろくに出世もしないし、人からも信用されないぞ。よく覚えておくといい。”
”以前、こんなことがあった。昔取引をしていた大企業が、他では作れない金型を依頼して来たんだ。うちに来る前にあちこちに依頼してしまったので予算は少なかったけれど、製品の単価に金型代を上乗せしてくれていいという話だった。
俺はその人間を知っていたので、快く引き受けることにした。ところがしばらくして配置転換があって、まったく知らない人間が俺の担当になった。そして他の部署から来たその担当者が「岡野さんのところの製品なんですが、1個あたりの単価が高いですね」と言い出した。
「金型代をもらってねぇんだから、その分を単価で償却するって約束なんだよ」と説明しても「そんな話は聞いていない。金型をよこせ」の一点張り。俺も頭きて「うちには金はある。だから金型代はいらない。そのかわり、まだ半分も金型代をもらっていないから、半分にして渡してやるよ」と言って、担当者の目の前で金型を半分に切ってやった。
慌てふためいていたなぁ。いやぁ、面白かった。”
”それに学歴が無い分劣等感もあるだろう?だからなおさら、大学卒や大学院卒のやつらに負けられないと思った。それは今でも俺の原動力になっているよ。テルモから痛くない注射針の依頼を受けた時に、最初「これは無理かもな」とも思った。だから学者に可能かどうかを相談してみたんだ。そうしたらその学者、「これは物理的に不可能です」っていうじゃないか。
普通なら「学者が理屈で無理っていうから、これは無理なんだ」と思うだろう?だけど俺はそれを聞いて、やってやろうじゃないかと思ったね。尋常高等小学校中退の俺が最高学府の学者の言葉を打ち破ってやるんだ。もし本当に痛くない注射針を作ることに成功できたら、こんなに痛快なことはないだろう?”
岡野雅行氏の本はこれ以外にも読んでいて、内容は被るところはあるけれど、どの本も面白いです。特に人間関係を掘り下げた以下の本は面白く参考になりますね。
世界一の職人が教える仕事がおもしろくなる発想法 (青春文庫) [ 岡野雅行 ]
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次に、やはりこの方の本は外せません。
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ノーベル生理学・医学賞受賞の大村智先生です。
大村先生はその研究業績はもちろんのこと、人を育てる天才でもあります。私の履歴書を読むと、若いころは結構喧嘩っ早い人だったようですが、自分の研究室を持つやいなや、沢山の研究成果とともに、沢山の研究者を育てています。
ここまでできる大学教授は、日本にいたとしても数人だと思います。
また、美術に造詣が深く、女子美術大学の理事長も担うという、言葉では言い表せないほどすごい先生です。
まるで仙人のようです。
本当に頭の良い人は美術にも長けていることが良くありますが、大村先生もその一人でしょう。
また、大村先生は、お金の使い方が非常にうまいと思います。特許等で多額のお金を稼いだわけですが、それを私利私欲のために使わず、地元住民や大学関係者、地域の関係者と自分自身が楽しめ、かつ社会に役立つことに使っています。
このように、周囲の人にも恩恵のあるお金の使い方をすると、ものすごいお金持ちでも嫉妬を買うことなく尊敬されます。
韮崎の地元で温泉を掘ったり、地元に自分のコレクションを展示した美術館を作ったりしたのはその典型例だと思います。
自分も楽しめるし他人も楽しめる。
こんなお金の使い方があるのだな、と勉強させられます。
しかも先生の発見したイベルメクチンは新型コロナウイルスへの有効性が確認され、現在治験中です。
北里大、新型コロナに対するイベルメクチンの治験の詳細が明らかに:日経バイオテクONLINE
ここまで人類に貢献するとは、とんでもない大先生ですね。
大村先生の書籍で、他にもいくつか好きなものがあり、以下になります。
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至誠天に通ず 【電子オリジナル版】大村 智エッセイ・談話集【電子書籍】[ 大村智 ]
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大村先生は本当に学ぶべきところが多い偉人です。
私の人生観は、主にこのお二人に強く影響されており、これらの本は私の人生のバイブルです。
皆さんもぜひ手に取って読んでいただければと思います。