九州豪雨は予測されていた未来でしかない
ここ数年、九州で局地的な豪雨災害が頻発しています。
今(2020年7月7日)においても、九州では猛烈な雨が降っており、被害が九州全域に拡がりつつあります。
何やら急に豪雨が降るようになったような印象がありますが、地球温暖化を研究している人たちにとってはすでに予測された未来であり、かなり前から(少なくとも2007年くらいには)わかっていたことです。
日本はもう、この手の豪雨から逃れられないのであり、
ダムや堤防増強などのハード面、住居移転などの都市計画、防災活動などのソフト面
を強化していく以外に道はないですね。
地球温暖化の原因は、人間活動による二酸化炭素排出が原因か否か、今も論争があります。一方で、少なくとも今起きている現象としては、温暖化傾向にあり、温暖化傾向にあるという前提の下、社会を作っていかないと、どうしようもなくなると思われます。
ということで、温暖化予測の研究結果をご紹介。
まずは、地球シミュレータによる予測結果のまとめです。
https://jpn.nec.com/event/141111spk/images/spk1.pdf
これらのデータをまとめた(と思われる)ものが、以下の環境省の資料(2012年度版)です。
https://www.env.go.jp/earth/ondanka/rep130412/pamph_full.pdf
(日本の気候変動とその影響 2012年度版)
この資料中の図を引用すると以下になります。
今後もさらに集中豪雨が増えるので、日本の、少なくとも川沿いや、山の斜面に住んでいる人たちは、身構えているべきですね。
集中豪雨による災害が起きることを前提に生活しないと、もはや無理です。
特に九州における洪水災害については、2014年の段階ですでに以下資料にて報告されています。
https://www.nies.go.jp/s8_project/symposium/20141110_s8br.pdf
(地球温暖化「日本への影響」-新たなシナリオに基づく総合的影響予測と適応策-)
この資料中の
「S-8-2(2) 亜熱帯化先進地九州における水・土砂災害適応策の研究」
によれば、
・日本で最初に亜熱帯化すると思われるのは九州
・災害は激甚化
・ハードなインフラだけで災害を防護するのは全く不可能
・ソフト、ヒューマンウエアの総動員が必要
・自助・共助が主体とならざるを得ない
・災害リスクに知で備える
ということなので、少なくとも九州の方々は
・住みたい場所のハザードマップ等を確認してから、家を借りる、買う
(リスクは自分の頭で考えて自分で判断する)
・少なくとも川沿いや海沿いには住まない
・山間部の山のふもとの近くには住まない
・災害備品(食料など)と緊急用のゴムボートくらいは備えておく
・・・くらいの対応が必要になってきそうです。
ところで、この資料中に以下の図があります。
この図は、要するに、今後は川の上流、中流、下流部にそれぞれいくつかのダムを設置しないと、もはや洪水は防げません、ということを言っています。
カスケード(多段階)方式、つまり1つの川に階段のようにいくつもダムを設けないとやってられません、ということです。
(溜池を設けられればダムは不要かもしれませんが、おそらく九州では溜池を作れるだけの土地が無いと思われます。)
もちろん、川の生態系を考慮した上での話ですが、個人的には、九州の方は選挙の際、ダムを設置してくれる政治家に投票することをオススメします。